【キャリア振り返り①】研究者になるまで|博士出身エンジニアの選択

エンジニアのキャリア

このシリーズでは、博士課程を経て研究者として働き、現在は民間企業でXR・CVエンジニアとして働く筆者(Maiei)が、自身のキャリアの選択と気づきを振り返っていきます。

第1回は、私がどのようにして研究者を目指し、実際にその道へ進んでいったのかをお話しします。

シリーズ全体の構成は以下のとおりです:

幼い頃の研究者への憧れ

物心ついた頃から、宇宙や恐竜の図鑑を見るのが大好きでした。

恐竜展に連れて行ってもらったり、研究所の一般公開に出かけたりするうちに、そういった分野への興味がますます深まっていきました。
そして、それらは「理科」という教科に関係することを知り、さらにのめり込むようになりました。

この頃から、私は「好きなことを突き詰めるような仕事がしたい」と思うようになり、その仕事が「研究者」だと知りました。

ある日、電車の窓から大学の広いキャンパスが見えました。
親に「あれは大学という、頭のいい人たちが勉強する場所だよ」と言われ、「じゃあ僕もそこに行くんだろうな」と、自然と思ったことを今でも覚えています。

中学で「博士になるには大学院へ」と知った

中学生になると、将来の進路を少しずつ意識するようになり、「研究者になるためには大学院に行って博士号を取らなければならない」ということを知りました。

その道の厳しさにも気づき、不安もありましたが、「行けるところまで行ってみよう」と心に決め、大学院で博士課程まで進むことを目指すようになりました。

化学が好きかと思ったら物理だった

中学時代は、化学式や原子・分子のふるまいに興味があり、「化学が好きなんだ」と思っていました。
しかし高校での授業を受けるうちに、化学よりも物理に強く惹かれるようになりました。

自分が興味を持っていたのは、どうやら「この世の最小単位」に対する関心だったようで、それは「この世界の根本的な仕組みを探る物理」という学問により深く結びついていたのです。

第一志望の大学、そして素粒子実験の研究室へ

こうして、自分が本当に惹かれている分野は「素粒子実験」だと知り、物理学科の中でもその分野を学べる大学を探すようになりました。

大学のオープンキャンパスにも積極的に参加し、学科だけでなく研究室の様子も調べながら第一志望の大学を決定。
そして無事に合格することができました。

学部の授業をこなしつつ、いよいよ研究室配属のタイミングを迎え、希望していた素粒子実験の研究室に入ることができました。
「いよいよ自分も、世界の謎に挑む研究者の一員になれるんだ」と胸が高鳴ったのを覚えています。

研究が楽しくて仕方がなかった大学院時代

研究室に入ってからは、毎日が研究漬けでした。
特に大学院に進んでからは、授業のない日はほとんど研究所に通っていました。

けれどもそれは全く苦ではなく、「最先端の研究所で、最先端のことを学べている」という実感が、ただただ楽しかったのです。

もちろん、困難や壁にも直面しましたが、それ以上に学びや議論の毎日が刺激的で、「これこそ自分のやりたかったことだ」と実感していました。

博士号取得、そして研究者としてのスタート

こうした日々を経て、なんとか博士号を取得することができました。
さらにありがたいことに、ポスドク(博士研究員)としての内定もいただき、いよいよ研究者としての一歩を踏み出すことになりました。

子どもの頃から思い描いていた「研究者になる」という夢が、ひとつの形で実現した瞬間でした。

おわりに

今回は、研究者になるまでの道のりを振り返ってみました。

次回は、そんな私がなぜアカデミアを離れて民間企業への転職を考えるようになったのか、そのきっかけや葛藤についてお話ししたいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


キャリア振り返りシリーズ記事
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